店長の本音・・・無事合格!!

自分で言うときます。

おめでとう!!

先日の試験、無事合格でした!!

怖かったぁ~・・・。

実はそれほど自信が無くて・・・無茶苦茶怖かった・・・。

だってお店できなくなるんですよ!!


「動物愛護法」がいきなり無茶苦茶厳しくなったんです。

動物を取り扱う「第1種動物取扱業」をするには、「動物取扱主任者」が必要で、今まで半年以上の実務経験と年に1回4時間ほどの講習だけ良かったんです。

ところが令和5年までに、国が認めた資格が必要になったんです・・・。

生体販売のお店、ブリーダー、トリミング、訓練士、シッター、ホテルなどの仕事です。


厳しくするのは大賛成ですが、これけっこうほんまに厳しく残酷です。

例えば私は、認められた中で少しでも皆さんのお役に立てそうなの選んだのですが・・・合格したその資格も・・・
教本が300ページ×2冊
試験も会場でしっかり試験官に見られて、ちゃんと受けなければいけません。通信で受けるような試験ではありません。

けっこう難しくて合格率も80%ほどです。

2割は落ちるです。

すごくないですか?

今まで30年トリミングの実績があろうと、40年繁殖の経験があろうと、合格しないと廃業です。

つまり今までの私達のやり方や扱い方、実績や経験は間違い?少なくとも認められません。
改めてしっかり勉強しなさい。
また、今の法律や愛護の考え方を今学び守りなさい・・・と言うようなことでしょうか・・・。


実は私も試験の時に、正直分からない問題が数問あり、あまり自信が無くてめちゃくちゃ怖かったんです。
毎晩泣いてました(笑)


けっこう難しんです。
いいわけですが・・・
動物との関係学、動物愛護の世界~日本史・・・などなど時代の流れや西暦、カタカナの名前をいっぱい覚えなくていけません。
今の動物愛護法ならともかく・・・介助犬や盲導犬、特定動物や鳥獣保護法、産業動物や実験動物に関する法律も・・・。

自慢ですが、犬猫の飼育に関することや体の仕組み、栄養学は改めて勉強しなくても全然大丈夫でした。

飼育に関してはウサギからハムスター、亀や爬虫類まででして・・・これも昔は大型ペットショップで万能型店長でしたのでだいたい大丈夫でした。

・・・って言っても、トカゲの交尾は短いけど蛇は長い?とか・・・オカメインコは原産地で冬にはどういう生活している?とか・・・
けっこう大変でした。


厳しいですよね・・・
年配のベテラントリマーさんやブリーダーさんは、受ける前にやめる人も少なくないと思いますし、実際2割は落ちるんです。
令和5年の春までですから、あと4回くらいは受験できますが、お金も何万もかかりますしね。

なんせ、「合格しないと廃業」・・・このストレスとプレッシャー、半端ないです。

世の中には受験や入社で、「合格しないと・・・」って言うプレッシャーはいくつもありますし私も経験していますが・・・
子供の頃からあこがれて、大学生で決めこんで、必死で開業して何とか16年続けたものが「合格しないと廃業」って、あまり経験ないストレスでした。


有資格者は各事業所に一人でいいんです。

ですから、小さなお店や個人のお店ほど負担は大きいです。
スタッフが多い会社なら、例えば最近トリミング学校を卒業した子でも学校のカリキュラムに入っているのでその子で大丈夫です。
でも30年のベテラントリマーさん一人ならそのお一人が合格しなければいけません。

かかるお金や時間は、当店のように一人で営み収入が月に20万くらいしかないトリマーさんも、月に何千万も売り上げるお店も同じです。

仕事の合間に勉強しなくていけませんし、私も試験当日は会場が淀川区で遠く、臨時休業にさせて頂きました。
私のようなお店でも1日の売り上げだって数万はありますし、事前に告知しても後で聞いただけで5~6人ご来店下さっていました。
16年間、風邪など自分の体調管理で1回も休んだことのない私が休まなくてはいけないのは悔しかったです。


この資格だけでなく、特に生体販売やブリーダーはすごく厳しくなりました。

繁殖の制限がかかり、スタッフ一人当たり飼養できる頭数、1頭のメスがお産できる回数、年齢・・・その他すごく厳しくなりました。

生体販売の価格が高騰している原因の一つです。


ですから、私達の業界はこの先真っ暗です。
ある団体の予想によると、年間6000億の市場が失われ、3割廃業、27万人が失業します。

犬や猫の為ですから、仕方ないし全然歓迎です。

でも・・・私でさえ、そんなに減らさないといけないダメなことなら・・・そんなに国や皆さんから厳しく絞られるなら・・・「やめちゃおうかな」少し考えてしまいました。
少なくとも国から与えられるのは負担や試練ばかりで、例えば農業とかみたいに援助や応援は全くされていませんからね。

いいお店だけ残って欲しいですし、そうであるべきですが、そう簡単ではないです。
むしろ少し弱いものいじめ感?もありますし、大手の方が負担は少なく、厳しくなったとはいえ抜け道?もありそうでずるい業者もいるでしょう・・。

一般の飼い主さんも含めて犬猫を本当に大切にする人だけになって欲しいです。

そのために、犬猫も減って、ブリーダーもお店もトリマーも獣医も3割くらい必要無くなるんなら、やめちゃおうって思う人もいると思います。
しかも個人で少しずつ真面目にしている業者ほど負担が大きいですからね。

なんだか2回くらい試験落ちてしまったらやめようかな・・・って思っていましたが、さすが!1発合格したらした安心感と開放感でいろいろ考えてしまいました。

この業界、景気は急降下、市場は大暴落、廃業失業多数・・・
不幸な命や粗末に扱われる命が減るならいいですね。仕方ないですね。無茶苦茶してきた業界ですからね。

ちなみに、厳しくなったのは生体を扱う業種です。
通販でフードなど販売しているだけは、なあ~んにもありません。誰でもできます。

でも私はやっぱり直接動物やお客様とかかわりたい。

生き残れたらいいな・・・。