2011年7月

4

まずは、猫風邪等の問題はできるだけ完治させるしかないです。
お金はかかりますが、領収書などおいておいて、後で里親になる人に相談するのもありです。
捨て猫ちゃんの場合、ノミがいたり出てきたりする可能性が高いのでそれは獣医さんに相談です。
小さい子猫の場合、フロントラインなどキツイお薬は要注意です。
それと下痢などなくても、一度検便&虫下しはするべきです。
一般的な健康診断みたいなのもしておくといいです。
でも、子猫が小さいと血液を取るのも可愛そうなので最低限でいいと思います。
猫はいろんな伝染病があります。検査をしてもよいですが、生後6か月くらい経ってないと正確な結果が出ません。
里親さんには、その辺の説明をして理解を得なくてはいけません。

あと去勢・不妊手術です。これもある程度成長しないとできません。
愛護団体さんによっては、すべての検査や去勢・不妊手術が済み生後6ヶ月頃になってから里親に出すところもあります。
私は、里親さんに時期が来たら必ず手術してもらうようにお約束を頂きました。
いろんな意見はあると思いますが、繁殖を管理できなくて不幸な命が生まれてるわけですから、また「子供産みました、飼えません」ってなると、私のしたことの意味が無くなります。
同じ意味で外に出さず、完全室内飼いにしてもらいます。外に出ると病気もらったりケンカしたりしますしね。

里親探しは、地域の新聞や情報誌はほとんど無料で載せてくれます。
あとは、ポスターを作ってあちこち張ってもらいます。
動物病院やペットショップもいいですが、普通のスーパーとかの方がいい人が見てくれるような気がします。
それとインターネット。たくさん里親探しのサイトがあります。
当店のHPにもリンクしましたが、「いつでも里親募集中」さんなどです。

私の場合は、初めから「お断りすることがあります」って書いてました。にゃー子&にゃー助のために、選ぶ必要があるからです。
里親さんが現れたら、できれば相手の自宅へ行くべきです。どんな人かわかります。
今まで飼育した猫の話など伺うともっとどんな人間かわかります。
飼い方や不妊・去勢などの条件は、書類にして契約書を作って書名してもらうべきです。

私・・・、ずっと雇われている時は、子猫や仔犬を売るのが仕事でした。
販売頭数でお給料も歩合だし、なんせくどくど叱られます。相手をその気にさせてバンバン売るのは苦手でした。
実店舗で私を知っている人はよ~くお分かりだと思います。
まあお商売には到底向かないブッキラボウで無愛想な私は、里親探しにはばっちりです。
「子猫もらえるんだって!」みたいな軽いノリでテンションの上がった方は、私に会うとドンドンとテンションが下がります。

欲しいって言ってくれた方を、3組お断りしました。
なんで?ってゴネたり、大変ご気分を悪くさせましたが、そこはごめんなさい。
私が無茶を言っているわけではありません。
一人のおじさんなんて「前も猫飼ってたけど近所とトラぶって捨てた」なんて平気で言うんですよ。
即刻退場です。なんかね。里親(タダでもらえる)ってこんなノリの人が来るんです。
それと、想像もしたくないですが、里親詐欺ってのがいます。虐待や転売が目的です。
でもまあ、お店しながら、人の気分を悪くさせたり嫌われて、何も良いことありません。
人間関係も難しくなります。お客様が紹介してくださった方や、お世話になった獣医さんのご紹介でさえお断りすることもありました。

大変と言えば大変でしたが、にゃー子もにゃー助も、信頼できる里親さんが見つかって連れて帰っていただきました。
結局2ヶ月以上ここにいましたが・・・。
にゃー子、にゃー助、よかったな。幸せになるんだぞー!それともう少しセンスの良い名前を付けてもらえよ。

この日記の意味は、あるんだろうか・・・。
一つでも助けられる命が増えて、捨てられる命が減るといいけど。
ポスターを張らせて下さったお店さん、たくさんの方に声かけて下さったお客様、ありがとうございました。
えらい苦労話になりましたが、私なんて大したことないです。少しお付き合いのある団体さんをご紹介。

千葉ワンさん
ハッピーハウスさん
 

にゃー子&にゃー助 その3(決意)

心配だったにゃー子もすごく元気になってきました。
猫風邪(目やに・鼻水・くしゃみ)に関しては、やっぱりなかなか治りません。
治ったと思うとまたひどくなったり・・・・。でも生死にかかわるものでは無く、今までに経験した中ではずいぶんマシです。

さあ、いよいよ里親探しです。
残念ながら私は猫ちゃんは飼えません。犬はマシですが、猫はアレルギーで私が猫風邪のようになります。
ペットショップでアルバイトを始めたころは、全く大丈夫でしたが、だんだんとひどくなりました。

この「里親探し」・・・なかなか大変です。
大変というか、どこまで頑張れるか。どの程度頑張れるか。
大きなペットショップや動物病院へ「飼えなくなった」と言って持ってくる人や、これ言ってよいのかわかりませんが、実は黙って捨てられることがよくあります。
私も以前勤めていたお店で、3日連続子猫を捨てられて30頭近くになったことがあります。
そんなにたくさん一方的に捨てられ、「里親探し」を押し付けられても大変です。
ペットショップたって仕事ですし、時間やお金があまっているわけではありません。
それは他の仕事の人より、有利な部分はたくさんあります。でも仕事を休んだりお金や時間を使うことに変わりはありません。
知識や経験のあるものは、ボランティアもするべきですが、押し付けられるものではありません。
批判もあるでしょうが、その30頭はある程度健康になれば、あとは手当たり次第、最低限の条件で里親に出しました。
後悔してます。罪を感じています。でもそれしかできなかった。

たくさんの子猫が処分されていることを知りながら、一方では保護・里親活動を頑張っているたくさんの個人や団体さんがいることも知りながら、何もできない私。しかもワンちゃんやネコちゃんを相手にお商売している私。
春先は、毎年何件も「子猫引き取ってください」と電話がかかってきます。すべてお断りしています。
電話をきった後、いろいろ考えたり後悔したりして・・・涙目になります。
にゃー子とにゃー助、たった2頭。しかもエビ採集というちょっとオタクな条件で偶然にも直接出会いました。
涙目の私に毎日すりすりして甘えてきます。これはアレルギーでの涙目ですよ(笑)。
世話をしたりトイレ掃除をしていると、私もぐちゃぐちゃでどっちが風邪ひいいてんだかわからなくなります。
にゃー子!にゃー助! クシャミのオッサンが絶対幸せにしたるからな。
絶対にえー人探して、幸せにしたるからな。
熱い思いと、アレルギーで涙がいっぱいになる毎日でした。


オマケ:黙ってペットショップや病院に子猫を放置すると、犯罪です。逮捕されます。夜中にこっそり捨てても防犯カメラや誰かがどこかで見てますよ。この頃お巡りさんも結構調べますよ。捕まるから捨てないという問題ではないですけどね。

にゃー子&にゃー助 その2(子猫を保護したら)

にゃー子&にゃー助、その日はゴールデンウィーク中で時間もお昼過ぎでした。

子猫を保護したら、まず獣医さんって思ってください。
車の中から、近くの獣医さん数件に電話してみましたが午後の診察をしているところがありませんでした。
やばい・・・。できる限りのことして、やばいと救急病院か・・・・。
それよりもまず今は、にゃー子を温めないといけません。
読んでくれている人いたら覚えておいてくださいね。子猫は、温めてください。
ぐちゃぐちゃの私の車も役に立つもんです。カイロもあるし、バスタオルもあります。

カイロで温めながらお店へ戻りました。
目やに鼻汁で、呼吸もしにくそうなので、コットンをお湯で絞ってお掃除。
無理にゴシゴシすると、カサブタのようなのが取れてしまったり、目や鼻を傷つけるので注意が必要です。
にゃー子の目が開きました。おっす!見えたか?

次はゴハンです。
猫用のミルクを与えます。
にゃー助は楽ちん。自分で飲みます。お皿でもいけます。
目があいていないような子猫だともっと大変です。
自分で飲めるくらいの子猫なら、キャットフードをふやかして粉ミルクをかけて離乳食みたいにします。
ミルクが物足りなかったにゃー助は、ニャンニャン言いながらがっつきます。
ニャンニャンが、「うまい、うまい」に聞こえて笑えました。よかったな~にゃー助、お腹すいてたんやな。

問題のにゃー子です。
何も食べません。ミルクも飲みません。
お腹もすいているはずだし、脱水もひどいですが、衰弱していて食べられません。
身体はだいぶ温まってきたので、ミルクをすこ~しづつ与えます。
スポイドで初めは、口の中を少し濡らす程度です。
口の中で、ペロペロしたりムニャムニャしたいたら大丈夫です。
少しづつ少しづつミルクを与えます。
もっと小さな子猫ですと哺乳瓶でも大丈夫ですが、弱っていると哺乳瓶は吸えません。
休憩させながら少しづつ舐めさせると、ちょっとづつ元気になってきました。
にゃー子、大丈夫やな、頑張ったな。
30分~1時間おきに少しずつミルクを与えました。
そうこうしているとお腹がすいてきました。私がです。
コンビニで腹ごしらえして、にゃー子の様子を見ます。
明日の朝までもつか、夜間の病院へ行くか・・・。
でもにゃー子は少しづつ元気になってきました。
先ほどのキャットフードとミルクの離乳食を与えてみます。
少し温めて、それでも自分で食べないので指につけて上アゴ(前歯の裏あたり)に塗るようにします。
ムニャムニャ食べます。また少し安心。

また数時間休憩して、もう一度与えます。さっきより食べます。
にゃー助も2度目の食事です。ガッツリ食べます。相変わらず「うまい、うまい」言いながら。
時計を見たら深夜です。
もう一度にゃー子の様子見て、ようやく病院は明日の朝で大丈夫だと確信が持てました。

翌朝病院です。
お店は、美容室だけ午前中のワンちゃんを先に預かり、実店舗は午前中臨時休業です。
ここでカッコつけても仕方ないです。当店は二人で美容室・ネットショップ・実店舗をしています。
二人でできるほど小さなお店です。
こんなことで臨時休業なんかしてるから、いつまでもこんななんだろうな・・・。
それよりも、来てくださったお客様ごめんなさい。申し訳ないです。でも急で誰もお店番ができませんでした。

にゃー子の脱水はほぼ回復してました。スゲー。すごいぞ!にゃー子。
一通り見てもらって、目薬とお腹と風邪のお薬と虫下しをもらってきました。
捨て猫ちゃんの場合、よくこの「風邪」をひいています。風邪のようにくしゃみしたり咳したり鼻水、あと猫の場合目やにが出ます。
鼻腔炎とか言ったりいろんな病気があるのですが、カリシとかヘルペスとかクラミジアとかいろんなウイルスや細菌が、大抵複合感染しています。
なかなか治りませんが、獣医さんにお任せして、目薬や飲み薬を根気よく続けるしかありません。
治ったと思っても1週間くらいで再発することが多いのでしっかり治療します。
ウイルスの場合、基本的には頑張って本人の免疫・抵抗力を上げるしかありません。
栄養価の高い食事をしっかり何回にも分けて与えます。

ほぅ~。一つの小さな命がつながった。
えらい苦労したように書いてますが、にゃー子&にゃー助は、まだまだ楽ちんです。
目も開いていない子猫だったりすると、夜中も数時間おきにミルクを与えなくてはなりません。
そして、私にはまだできませんが、いろんなものを犠牲にしてそのような保護・里親活動をなされている方がたくさんいます。

にゃー子&にゃー助 その1(助けてくれえ~)

暑いですね・・・。

今日は、にゃー子&にゃー助のお話です。
楽しい話ではないのですが、少しでも多くの方に考えてほしいですし・・・。
本当に大変なことで苦労して苦労して苦労しましたが、私自身開き直って頑張りましたので、すこし面白おかしくも書いてます。

彼らは、捨て猫です。
ゴールデンウィーク頃、近所の川へ相方と沼エビを取りに行ってました。
エビは観賞魚水槽のお掃除屋さんです。変な趣味ですみません。
エビをいつも熱帯魚屋さんで購入している人、南沼エビなどはそこらへんの川にいくらでもいますよ。

話はそれましたが、そんなエビを取る変なオッサンしか立ち寄らないようなところで、どこからともなく鳴き声が・・・にゃ~。
正直言いまして私の頭の中は、「が~ん・・・げげげっげげえ~・・・」。
今日のエビ採集&水槽掃除&すべての予定は終わりだ・・・何匹いるんだろう・・・・病院開いてるかな・・・これから大変だ・・・・。
ひどいと思われるかもしれませんが、この状況をうれしいとは思えませんでした・・・。
どこにいるんだろう・・・近づくと草をがさがさかき分けて1匹の白い子猫がヨチヨチ、ボテボテとたまにこけながら必死で私の足元まで来ました。

「にゃあ~にゃあ~!にゃあ~てばあ!」、「たすけてくれえ~!」
呆然とする私の長靴をカリカリひっかきます。
長靴もあせってます。

産まれて2週間くらいかな・・・。男の仔か・・・んじゃお前は「にゃー助!」、よかったな、頑張ったな、にゃー助。それにしてもひどい衰弱、風邪、ノミの糞だらけ、目やに・・・。
わかったよ。もう大丈夫やて。エビのオッサンが助けたるがな。ところでお連れ様は?

あたりを探すとそれらしきダンボール発見。
あ~何匹いるんだろう。どんな状態だろう・・・。
中にはキジトラの子猫1頭。おぅ・・・・こっちの方がひどい、脱水がひどく体温もかなり低い、目が目やにで開かない、鼻もふさがってる。やばいな。
女の子か、にゃー子!頑張れよ~。エビのオッサンが何とかしたるから、死ぬなよ~。
ノミの糞だらけですが、ノミはいません。ノミも賢くて宿主がもう長くないとどこかへ行ってしまうんです。

周りを探しました2頭だけでした。もともと2頭なのか、どこかへ行ってしまったのか、それとも・・・。
このくらいの子猫は弱るとカラスとかイタチなんかにもやられてしまいます。

エビを取るような変なオッサンしか立ちよらないようなところです。
ダンボールと猫の状態から、捨てられて3日~もしかすると4,5日経っているかもしれません。
昔は、公園などに「誰か飼ってください」みたいな捨て方が多かったのですが、この頃はゴミのように捨てられています。
こっそり粗大ゴミを捨てるのと同じです。

誰や!こんなひどいことするんわ。どんな事情があったのか知らんが、ひどすぎる。

ひどいと思う人も、ある日お子さんが学校帰りに子猫拾って来たらどうします?
ある日、お庭に子猫がいたらどうします? ある日自分の自転車のかごに子猫が捨てられていたらどうします?
こういった場合、にゃー子&にゃー助のように健康でない場合の方が多いですし、里親探しも想像をはるかに超えて大変ですよ。

どうしてこんなことが日本中で起きるのか?ホントに皆さん考えてほしいです。

猫は(犬も)、放し飼いにしない。
繁殖は飼い主が管理!去勢・不妊手術!
不幸な命が生まれまくってます。

あとね。エサだけあげて気持ち良くなっている人!頼むから考えなおしてください!
エサあげる→猫が喜ぶ→可愛い→自分も喜ぶ→それ以外は知らんぷり→猫は誰かのお家のお庭をトイレにする→どこかで子供も産む→親猫は決まったお家や飼い主の助けがないと育てられない→この後はわかるでしょ。

エサだけあげるのは、ええとこ取りです。ずるいです。それで気持ちよくなるのは(癒されるのは)セコイ。
エサをあげる(ペットを飼う)ってことは、そんなことではありません。
トイレの世話、病気したら病院、繁殖の制限・・・・・・。
猫は野生動物ではありません。(野生動物にエサをあげるのも問題ですが)
人間の手が必要です。その手はエサだけではありません。
エサだけもらっても生きていけません。
そこにいる猫はゴハンを食べているのか心配です。よくわかります。でもよく考えてください。

当店のお客様でも、必死で野良猫を捕まえて去勢・不妊を繰り返している方がいます。
毎年春になると、子猫を保護して里親を探している人がいます。
保護?里親探し?一言で言うのは簡単です。どれだけ大変か・・・。

捨てられる命、助けられる命。
エサだけあげる人、去勢不妊だけしてる人。
よく考えてください。私も自分に何ができるのか考えます。

まだまだ日本では、猫だけで年間約20万頭も処分されてます。
それ以外にどれだけの数、ゴミのように捨てられて・・・・・。

(当店は飼えなくなった犬猫は引き取れません、勘違いしないでね)