お客様お写真&ドイツ情報&日本の現状

今日は、昨年までドイツに住んでいたスタンダードシュナウザーの「ヨット君」です。




おおっ!かわいい・・・。
咥えて見せてくれているのは、ドイツでブリーダーさんから購入するときにわたされる「パスポート」だそうです。
ブリーダーが獣医さんで登録するときに作るそうです。
マイクロチップの番号やオーナーの住所、予防接種などが記録されているんだとか・・・。

実は、ドイツって殺処分が「0」です。
日本は、めちゃくちゃです。

日本人だと何でも日本が優れていると思ってしまうし、島国ってこともあってか?他の国の情報が少ない。

例えば、仔犬がたくさん展示されているペットショップ・・・。
普通にあるから普通なんだと思ってしましいますよね。
「可愛い可愛い」ってみなさんキャッキャして・・・購入しちゃいます。

でもドイツの人から見ると、可愛いのではなくて「可愛そう」なのかも。
まだまだ母犬や兄弟と一緒にいるべきですし・・・あんな狭いところであんな見せ方させられて・・・
「寝るのが仕事」なのにゆっくり眠れる訳がない。

売る方のペットショップが悪い?
でもドイツのブリーダーさんみたいに生後3か月も経っていると日本では売れ残りで超安くしないと売れません。

皆さんは、もっと小さくてフアフアでコロコロで可愛い~仔犬が欲しいんです。
親や兄弟と引き離され・・・寂しくて・・・キャンキャン泣いているような仔犬や子猫が欲しいんです。

そんな状態で、狭いケージで独りぼっちで、物みたいにいろんな種類や色の仔犬子猫がずらずらと並べられている。
いろいろ選べて便利ですか?
大切な命なのに・・・引き継ぐのに面会や面接?手続きまたは資格みたいなものがあれば面倒ですか?
大切な命なのに・・・ブリーダーさんはお金にさえなれば、どこへ行こうが誰が買おうがどうでもいいですか?


ドイツは全然違います。
「犬税」みたいな税金もあります。
犬税のすべてが犬の為に使われているわけではないようですが、少なくとも犬にも人権みたいなものが持てるし、安易に犬を買うことができなくなります。
衝動買いなんて絶対にできません。

私店長は・・・バル開業までたくさん犬猫を販売するお店で店長をしていました。
恥ずかしながら・・・・いかにして「衝動買いさせるか」を毎日必死で考えていました。
お給料も何頭売るかでの歩合だし、お昼頃には社長から「今日は何頭売れた?」って電話がかかってきます。
1頭も売れてない日は叱られて凹むので、「2頭売れました」って嘘ついて閉店までに必死で2頭売ったりしました・・・。

実際に時々・・・「無理やり売りつけられた」とか返品に来る人もいました。
「昨日はのせられた・・・」って翌日に返品に来る人もいました。
1週間くらいで「トイレを覚えない」とか「ワンワンうるさい」って返品したいと言う人もたくさんいました。

基本、「返品はできません」で突っぱねます。
逆に返品できてもそれはそれでおかしいと思いますが・・・。

私が必死で自分のお給料の為に衝動買いさせてしまったワンコにニャンコ・・・みんな最後まで大切にしてもらえて・・・幸せだったのでしょうか・・。

思えば小学生くらいの頃から憧れた仕事でしたが、もう生体の販売はしません。
今度は、今みなさんの足元で寝ているワンコやニャンコが幸せで少しでも元気で長生きできるように、そして最後まで大切にしてもらえるように生涯頑張ります。

私の話はイランですね。
ヨット君から聞いたドイツのお話です・・・

〇ブリーダーについて

ブリーダーに対しての決まりごとがいくつかある。
・役所の許可が必要。役所の人が犬を繁殖させる場所を見に来る。
・一頭の母犬の次の出産まで空けなければいけない期間が決まっている。
・一頭の母犬の出産の回数に上限がある。
・生まれた犬の登録をし、マイクロチップを入れる。

ドイツのブリーダーも色々いるらしく、専門で大きくやっているところもあれば個人の家でやっているところもあるようです。
ヨット君は、すっごく田舎の方の馬の蹄鉄屋さんで昼間は馬小屋で馬と一緒に過ごしていたそうです。
なんだか素敵ですね。日本ではありえないですね。

ちなみに日本もだんだん厳しくなってきて、販売業は登録や許可が必要です。
タブン「1回だけ」見にきます。当店は「美容室」で届出を出していますが、13年で1回だけ見に来られました。
母犬のお産に関する決まりは、タブン何もないです。無茶苦茶するブリーダーもいるので早く決めて欲しいです。
 
〇犬の購入について

日本のようにペットショップに犬や猫はいません。
犬が欲しいときはネットのブリーダーサイトを見て、直接ブリーダーさんに連絡します。
アポイントが取れたら初めの1回はブリーダーさんと交渉。
成立したら子犬の引き渡し可能な時期(生後9週間後)になるまで待ち、受け取りに行くという感じです。
最低でも2回は行くことになります。
ヨット君の場合、お母さんがサイトをチェックし始めてから出会うまで5か月くらいかかりました。
衝動買いなんて絶対できないそうです。
実はお母さんが最初に行ったブリーダーさんは、一緒に見に行ったお父さんのテンションが低く、ブリーダーさんが不安に思ったのか譲ってもらえなかったそうです。
やっぱりブリーダーさんは犬の幸せを第一に譲る先を考えているんだとか。
 
ヨット君とお母さんが出会ったブリーダーさんも「どんなところに住んでるの?旦那さんは?」など質問攻めだったそうです。
すごく暖かいブリーダーさんで、今でもブリーダーさんとお母さんはメールしているそうです。
これも日本ではほとんどないですね。

日本のペットショップのほとんどが・・・ブリーダー ⇒ 競り市(オークション) ⇒ ペットショップ ⇒ 飼い主さん ・・・です。
自分が育てた仔犬子猫なのに、どこへ行こうが誰が買おうがどうでもいいんです。ブリーダーさんは。
 
〇犬の登録と納税の手続きについて

犬のオーナーや住居が変わるとまた登録が必要です。登録は人の住民登録をする場所と同じ役所でします。
新しいオーナー(私)の身分証明書の提示や前のオーナー(ブリーダーさん)の住所など聞かれます。

それと同時に納税の手続きがあります。
1年に1回、銀行口座から引き落としされます。中型犬1頭90ユーロ(約12,000円)2頭目は100ユーロ…さらに高くなるそうです。
 
日本でもペット税・犬税は是非導入して欲しいです。
とって欲しいって思える税金なんて他に無いですよね。

実は・・・犬税だけじゃなくて全部ですが・・・ドイツが特別なんじゃなくて他の先進国はみんなこんな感じなんです。
日本が「異常?」・・・少なくとも日本が遅れていて?変っていて?おかしい?・・・。

いつもね・・ペット税とか、販売する犬猫の月齢制限とか・・・厳しくなりかけると・・・ペット業界が?反抗します。
それでほとんどもみ消されて?ちょっとだけ折り合いをつけるように厳しくなります。
ペット業界って何?・・・
日本のペット関連市場って「1兆5千億」っとかになってますからね。

今突然ドイツみたいになると、業界は当店も含めて半分くらい廃業になるのかな・・・。
そうなっても生き残れる・・・ってそんなに甘くないでしょうね。
税金1頭12000円ですから、逆に捨てられる犬猫も一時的に増えるでしょうね。
猫ちゃん10頭とか飼育してらっしゃるお家ってけっこうありますしね。

ヨット君のお母さんもおっしゃってますが、「日本には日本の良い方法」があるのかもしれません。
いろいろあるけど、「殺処分ゼロ」これは見習いたいですね。

※ヨット君から頂いたドイツの情報は、実際にドイツでヨット君を購入してドイツで生活なされていたお客様によるものです。
法律なのか決まりなのかなど、すべて確認しておりません。