老犬ちゃんが痩せてきた・・・でもカロリーアップにはご用心?
今日は老犬老猫ちゃんのお話しです。
ネコちゃんもですが、ワンちゃんの方が多いでしょうか・・・。
ある程度老犬ちゃん老猫ちゃんになり、「痩せてきたからカロリーの高いゴハンが欲しい」と言うご相談。
答えだけだと、仔犬用・子猫用のフードやヤギミルクのトッピングになります。
でも、注意が必要です。
すごく残念な言い方かも知れないですが、仕方ないと言うか自然だったりするからです。
栄養(カロリー)が足りないと言うより、内臓機能も低下し代謝も低くなり、カロリーを摂っても負担になってきたりします。
言葉が難しいですが、省エネでしょうか・・・
食べるのも消化するのも分解するのもエネルギーを使います。
だからできるだけ動かないで、良く寝て、身体に蓄えたエネルギー(脂肪)も使っていくのです。
少しでも・・・1日でも飼い主さんと一緒にいるために・・・
当店では最高齢は21歳のチワワちゃん。
その次は20歳までいたポメラニアンちゃんがいました。
17~18なら常に何頭かいます。
やっぱりみんな痩せて小さくなっていきます。
「仕方ない」って寂しいことを言いたいのではなく・・・
注意して欲しいのです。
自分で調節している部分もありますし、内臓も歳をとって行きますので、急にカロリーアップすると負担どころかパンクして非常に危険な状態になることがあります。
けっこう多いと思います。
痩せてきたのを心配し、カロリーの高い(脂肪分の多い)フードにしたり、ミルクをトッピングし、急性の膵炎を起こしてしまう例があります。
膵炎は非常に危険です。そのまま命を落としてしまうこともあります。
あとは急性の腎不全も多いです。
「友達に馬肉が良いと聞いた」と、馬肉のトッピングを大量にして、急性の腎不全になり危なかった子もいます。
肝臓を悪くすることもあります。
食べないのも心配ですし、痩せるのも心配です。
でも「急」は注意が必要です。
食べない=自分で内臓を休めていたりします。
そんな時に「急」に高カロリーなものが入ってくるとパンクしちゃいます。
食べてくれると嬉しいのですが・・・。
人間でも風邪ひいて休んでいる時に、元気出せと焼肉屋さんへ連れていかれたり、唐揚げを山積みされてもつらいですよね。
でもワンちゃんはお母さんの愛情に応えようとたくさん食べちゃったりします。
子供の時も、お母さんはリンゴを切ってくれたり「おかゆ」を作ってくれたと思います。
カロリーアップだけではなくて、食べやすく消化しやすくしてあげることが大切です。
ドライフードならぬるま湯でふやかしてあげるだけで消化の負担はずいぶん違います。
私の場合は、ドライフードを一旦粉々にし、水分の多いウエットフードを混ぜたり少しお湯を足します。
あとはやっぱり消化酵素(食物酵素)や酵母や乳酸菌のトッピングを強くおすすめします。
消化を手伝ってくれます。
もう一つ失敗の多い注意点は「おやつ」です。
ゴハン食べなくて心配でオヤツが増えちゃうんです。
ジャーキーばかり食べて膵炎とか、ササミばかり食べて腎不全とか。
もちろん、急に痩せてきた場合、獣医さんにも相談してくださいね。
何か病気があったり、腫瘍などがあったりします。
最初に「老化初期」とお話しました。
もっと老犬ちゃん老猫ちゃんになってきて・・・
すごく残念で想像もしたくないと思いますが、あとどのくらい一緒にいられるんだろう・・・とか、残り数日・・・
こんな時は飼い主さんの判断におまかせします。
私は若いワンコやニャンコに、人間のチクワやソーセージを与えるのは大っ嫌いです。
だけどどこかのタイミングで「何でも好きなの食べなよ」って思ってもそれをすべて否定しません。
さすがにソーセージは嫌ですけどね。
私も・・・去年亡くなった自分の愛犬は、亡くなる前日にそれまでほとんど何も食べなかったのにステーキも何キレも食べちゃいました。
亡くなる前日です。
逆に・・・
2ヶ月ほど前、ホルモンの病気と心臓が悪く、腎不全もかなり進行している16歳のシーズのお客様が泣きながら激怒してご来店下さいました。
獣医さんに、「もう長くないからファミチキ(ファミリーマートのフライドチキン)でも食べさせればよい」と言われたとか・・・。
私も仔犬の頃から「ずっと」来てくれているワンちゃんやお客様なら、そっとお伝えするときがあります。
残念ですが「もう長くない」と感じた時です。
すごく言葉選びも難しいです・・・。
その16歳のシーズちゃんは、「違う」と感じました。
飼い主さんの性格も考えて。
そのシーズちゃん、できるだけ腎臓の缶詰(フォルツア10)をちょっとずつ食べさせながら、イティなら自分でも食べてくれるのでちょっとずつ・・・もう「ファミチキ事件」から2ヶ月も頑張ってます。
判断はすごく難しいし、何が正解か解りませんし、飼い主さんの価値観、ワンちゃんやネコちゃんとの絆もあります。
このシーズちゃんもあの時に「ファミチキ」を食べていたら、もういないかもしれません。
でも、私は自分の愛犬に前日にステーキを与えたことは一切後悔していません。
あの時もう長くない(1週間もない)と確信したし、その確信と同時に何か月も毎日お互い頑張ったから・・・
お互いに「もういいよ。頑張ったな」「お父ちゃん、もういいよ」って言う気持ちだったから・・・
いいお別れをして欲しい・・・
すごく難しいですが、当店は最後の最後まで相談のれるアドバイスができる飼い主様に寄り添えるお店を目指します。
当店は小さなお店でお客様の数は少ないですが・・・
ほとんどが仔犬から最後までなので、年々それができて来ていますし、少なくとも良い経験を積ませて頂いてます。
ずっと相談できる、ずっと同じトリマーさん・訓練士さん、ずっと同じお店がいいと思います。
やっぱり初めての飼い主さんやワンちゃんネコちゃんと、15年のお付き合いとでは、できるフォローやアドバイスが違います。