ペットショップの裏表「恐怖の扉」

こんにちは。
店長の加登です。

今日は、「恐怖の扉」のお話です。

「恐怖の扉」とは、お店の出入り口の内側に作った木製の扉のことです。
何のためにあるか・・・って言うと、ワンちゃんの脱走防止です。
ワンちゃんの美容室で、一番大切なことは、カットの技術でもなんでもなく、何があっても「絶対脱走させないこと・怪我させないこと」です。
私は初めから「下手ですよ」って言っちゃったりします。
妻がトリマーなのですが、私がバルをオープンさせてからトリマー学校へ通い、他店では働いたことも無いですし、学校以外で教わることもありません。
だから本当に下手です。
それでもおかげ様でいつもご予約でいっぱいなのは、ワンちゃんを大切に思う気持ちだと思ってます。

「脱走」ですが、美容室やホテルなどお預かりする際には十分な注意が必要です。
車にひかれてしまったという話も聞いたことあります。
そんなことあるのかと思いますが、あるんです。
飼い主様からの受け渡しの時とかですね。
ちなみにワンちゃんやネコちゃんがパニくってしまう動物病院も多いので気を付けてくださいね。

ですので、もしももしも「あっ!」ってなっても、最後の最後にこの扉があれば、防げるのです。
偶然お客様のご来店があって外の自動扉が開いても、この木製扉はバネになっていてすぐに閉まるので外に行ってしまうことはほぼ無いです。


では、なぜ「恐怖」かと言うと・・・
ご来店するお客様が激減するからです。
恐ろし過ぎて外からの写真はお見せできませんが、外から見れば一目瞭然です。
完全にお客様を「通せんぼ」してます。
初めてのお客様は、入っちゃいけないみたいに感じます。
むか~し友人とお店のセミナーに行って来たことがあります。
ご来店を増やす方法として、「入りやすい入口」「入りやすいお店」を目指すよりも、「出やすい出口」「出やすいお店」を目指すべきだと習いました。
その通りなんです(笑)
当店なんて、わざわざ「出にくい」ようにしてます。
ぶらっと入ってしまったお客様なんて、出るタイミングが無いんです。
「キィ~」って開けて「バッタン」て閉めないと出られないのです。

10年以上前ですが勤めていた時に、やっぱりホテルのワンちゃんをお返しする時に、ワンちゃんが飼い主様にも気付かずダッシュしてしまいました。
来店が多くなるように(出やすくて入りやすい)入り口は開けっ放しだったので、外まで行ってしまったことがあります。
上司に、「危ないから入口は閉めておきたい」って言ってめちゃめちゃ叱られたことがあります。
「お返しの時に気をつけろ」って言われましたが、それは当たり前で、受け渡しなのでお客様のミスもありますからね。

当店のこの扉は5年くらい前に設置しましたが、本当にご来店はめちゃくちゃ減ります。
ビックリするくらい減ります。
8年前のオープンした時から付けていたら、オープンしてなかったかもしれません。
経営的に考えると、滅多にない「脱走」なんてリスクより、こっちの方がずっと深刻で、普通の経営者からするとかなりのおバカです。
もちろんご来店を減らさずに脱走を防ぐ方法も考えましたし、陳列棚とかを工夫して、入り安やすくて出にくいようにも多少はできますが、一番はやっぱり「入りにくいお店」にすることなのです(笑)。


以上、カットはガタガタで下手くそでも、ワンちゃんは大切にお預かりしますってお話です。
時々「恐怖の扉」を付けてる立派なお店があります。
そこは、「」で勝負してるお店です。